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銀行の内定者・新入社員へ捧げる、最低限理解すべき実践的な銀行用語5選

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銀行から内定をもらった人
入社前に少しでも不安を取り除いておきたい。
最低限知っておくべき銀行用語って何だろう?

銀行に入社したばかりの新入社員
本配属の前に銀行用語を理解して、実務のイメージをつけたい。

基礎的な銀行用語は重要です!
ここで理解しておけば、実務にスムーズに入れます。

 

こんにちは!かっぱ(@hiroeverything)です。

私は都内の銀行に勤める4年目銀行員で、主に法人向け融資全般を担当しています。

 

私の職場では、毎年6月頃に研修を終えた新入社員が4名ほど支店に配属されてきます。

昨年度から新入社員の指導員となっている私は、少しずつ銀行の実務を教えていくわけなのですが、新入社員が毎年同じようなつまづき方をしているのです。

 

要因を探るべく新入社員の話を聞いてみると、基礎的な銀行用語を少し勘違いして覚えていたり、あやふやな理解に留めていたりすることが共通点なのだと気づきました。

 

そこでこの記事では、銀行の内定者や新入社員に向けて、実務で当然のように使われている超基礎的な銀行用語5つをお話しします!

 

入社前や本配属前は不安で緊張しているはず。

でも大丈夫です。私も当時はめちゃくちゃ不安でした。

知らないことを知ることで、少しでも気持ちを和らげて、実務もスムーズに身に付けて頂ければと思います。

 

主に法人融資向けの銀行用語をお伝えしますが、個人向け融資の方や預金担当の方も知っておいて損はありません。お互い連携する上で必ず使われる言葉なので。

 

それでは早速いきましょう!

 

 

与信

 

上司
アルファ産業に与信はあるの?

新入社員
はい。当貸枠が1億あります。

 

与信(よしん)とは文字通り「顧客に信用を与えること」です。

 

気をつけるポイントとしては、「融資」と同じ意味ではないということです。

与信は融資よりも広い意味で使われ、「銀行がリスクを負う行為」は全て与信となります。

 

例えばカードローンは、あらかじめ決められた限度額の範囲内で、自由にお金を借りられる商品ですが、利用金額が0円の場合は銀行が融資したことにはなりません。

 

しかし、カードローンの枠を設定した時点で、銀行は顧客に信用を与えている(顧客がいつでもお金を借りられる状態を与えている)わけなので、カードローン枠の設定は利用の有無に関わらず与信行為に当たります。

 

また、冒頭の会話に登場した「当貸(とうがし)」というのは「当座貸越」の略で、カードローンと同じように、法人顧客が限度額(極度枠)の範囲内で自由にお金を借りられる融資形態です。

 

もう少し踏み込んだ例として、外為分野の「為替予約」についてお話しします。

 

「為替予約」とは、例えば輸出企業が近い将来(3ヵ月後や6ヵ月後など)に予定している売上を米ドルから日本円に換える場合、その時の為替変動リスクを前もってヘッジすることです。 

具体的には銀行と為替予約取引を行い、1米ドル=110円といった換算レートを決めておきます。

 

これにより銀行は、将来の為替変動リスクを負うことになるので、為替予約は与信行為に当たり厳重な審査が必要となるのです。

 

POINT

・「与信」と「融資」を混同しない
・「与信」は銀行がリスクを負う行為全てを指す
・「融資」は顧客にお金を貸す行為を指す

 

保全

 

上司
当貸1億か。保全は取れてるの?

新入社員
預担が3千万ありますね。

 

「保全」とは銀行が与信行為をする際に、万が一に備えてリスクを出来る限り減らしておく施策のことで、「担保」よりも広い括りで使われます。

 

この施策として多いパターンは、債務者の不動産や預金を担保に取るものと、信用保証協会による保証が挙げられます。

 

ちなみに冒頭の会話にある「預担(よたん)」は、預金担保の略で、この預金を担保に取ることを指します。

 

また「信用保証協会」とは、中小企業の金融円滑化のために設立された公的機関で、企業が銀行から資金調達する際に、信用保証協会による「信用保証」を付けて融資を受けるものです。

 

信用保証協会の保証が付いている融資は、万が一債務者が返済不能に陥った場合、信用保証協会が債務者の代わりに銀行に一括で返済してくれます。

 

債務者の代わりに返済することを「代位弁済」と言い、よく「代弁」と略して使います。追加で覚えておきましょう。

 

銀行が企業に与信を行う際は、保全が取れるのか十分に見極めます。

見極める際には債務者の財務内容を把握し、適切な保全を確保することが重要です。

 

POINT

・「保全」とは銀行が与信に伴うリスクを減らすための施策
・具体的には、担保や信用保証協会の保証を取得することが挙げられる
・信用保証協会の保証付き融資は、債務者が返済不能に陥っても代位弁済してくれるので、銀行は「保全」として捉える

 

プロパー融資

 

上司
ベータ産業の与信にプロパーはあるかい?

新入社員
プロパーはないですね。信保5千万だけです。

 

前述した「保全」の中で、信用保証協会付き融資を説明したので、ここでプロパー融資についても簡単にお話しします。

 

銀行の法人向け融資は、大きく分けてプロパー融資と信用保証協会付き融資の2つが存在します。

 

プロパー融資とは「銀行独自の融資」であり、債権が貸し倒れた際には銀行が直接損失を被ります。

そのため信用保証協会付き融資に比べ、より厳重な審査を必要とします。

 

債務者の財務内容はもちろん、適切な融資金額なのか、保全は十分に確保できるのか、返済プランは妥当か、資金繰りに問題はないか、他行はどのような動きをしているのか、などあらゆる面から分析し判断します。

 

一般的に、初めて融資する企業に対していきなりプロパー融資を行うことは稀です。

まずは信用保証協会付き融資で取引を始めて信頼関係を築いてから、財務内容を見つつプロパー融資も視野に入れるという流れとなります。

 

プロパー融資は、信用保証協会付き融資とは立ち位置が全く異なる融資だということを理解しておきましょう。

 

POINT

・プロパー融資とは銀行独自の融資形態
・貸し倒れた際は、銀行が直接損失を被るため厳重な審査が必要

 

保証

 

上司
今回のデルタ工業の融資に保証は付いてるよね?

新入社員
はい、代表者の保証をもらっています。

 

「保全」や「信用保証協会」の話が出たので、銀行の保証に関してもお話ししておきます。

保証にはいくつか種類があるのですが、この記事では連帯保証に絞って進めていきます。

 

銀行における連帯保証とは、万が一債務者が返済不能に陥った場合に備えて、債務者以外の第三者に連帯保証人になってもらうことを指します。

 

一般的に銀行が企業に融資する際、債務者である企業の連帯保証人として、その代表者(社長)が保証を銀行に差し入れます。

またグループ会社の子会社に融資する場合は、親会社の保証を取得するケースもあります。

 

保証を理解する上で重要なのは、保証は保全とはみなされないことです。

なぜなら、債務者が返済不能に陥った場合、その債務を代表者などが代わりに弁済できるかは不確実だからです。

 

企業が5億円の負債を残して倒産したとして、その社長は1人で5億円返済できるでしょうか?

子会社が倒産するほどの経営難に苦しんでいる親会社に、5億円の負債を返済するだけの余裕はあるでしょうか?

 

答えはNOですよね。

 

もちろん銀行は少しでも債権を回収するために、代表者や親会社などから保証を取得します。

ただ、担保や信用保証協会の保証とは確実性が全く異なるため、銀行の「保全」には基本的に含めません。

ここでも、「保全」と「保証」を混同しないよう注意しましょう。

 

POINT

・保証は不確実性を伴うものである
・銀行の保全に保証は含めない(信用保証協会を除く)

 

信用格付

 

上司
デルタ工業の格付ってなに?

新入社員
デルタ工業は正常先Bです。

 

信用格付とは、銀行が債務者の決算書から財務内容を分析し、安全性の観点から債務者のランク付けを行うことです。

 

一時期「東芝」が債務超過に陥る懸念があることから、主力行が「要注意先」に引き下げるというニュースを目にしたことがあるかもしれません。

 

信用格付は大きく分けると、「正常先」、「要注意先」、「破綻懸念先」、「実質破綻先」、「破綻先」となります。

 

ただ、正常先の中にもランクがあり、大体5~7つほどの符号で表されます。

冒頭の会話で登場したデルタ工業は正常先Bなので、財務内容は良好であると判断できます。

 

要注意先にも、「まだ救いのある要注意先」と「破綻懸念に近い要注意先」などでランク付けが異なります。

 

したがって、「正常先だから大丈夫」、「要注意先だから危険」という判断はあまり意味がありません。

 

とはいえ信用格付は債務者判断として、与信を行う前にまず実施することです。

信用格付の詳細な流れや重視する指標については、別の記事で取り上げようと考えていますが、信用格付が与信判断の基礎となることを是非覚えておいてください。

 

POINT

・信用格付とは債務者の財務内容を安全性の観点からランク付けすること
・与信判断の前に第一に信用格付を実施し、債務者判断を行う。

 

基礎中の基礎が1番大事

 

銀行の内定者・新入社員に向けて、基礎中の基礎となる銀行用語を5つ紹介しました。

 

「与信」、「保全」、「プロパー融資」、「保証」、「信用格付」、どれも関連付けて考える場合がほとんどなので、基礎理解はなるべく早めにしておくのがオススメです。

 

基礎をしっかり理解しておけば、実務にスムーズに入れて身につくスピードも高まるはずです。

時間のあるうちに少しでも不安を取り除いて、実務に備えましょう!

 

↓ 銀行入社3年間で取得すべき資格についてまとめた記事もあるので、あわせてご覧ください。